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8月第1週の面白かった記事

AIバブルへのヒッチハイクガイド/A Hitchhiker's Guide to the AI Bubble(Fluxus)

A Hitchhiker’s Guide to the AI Bubble
Everyone’s debating whether AI is a bubble while missing the real story. Two things are true: there’s a massive AGI fantasy bubble built on geopolitical panic, AND a genuine ML revolution happening at ground level.
AGIバブルは崩壊するだろう。技術が失敗するからではなく、空想が現実と融合できないからだ。
生き残るのは、AGIを約束する企業ではない。機械学習はインフラとして利用可能であればこそ真に有用であることを早くから理解した企業だ。Pets.comとAmazonの違いは、一方が世界を変えると約束し、もう一方は倉庫を建設していたことにある。
企業の方は、雑音は無視してください。AIについては誰もが強い意見を持っていますが、そのほとんどは間違っています。専門家が議論し、ベンダーが過大な約束をする一方で、今機能していることに焦点を当ててください。退屈な自動化、わずかな効率化、優れたインターフェース、これらが積み重なって効果を発揮します。勝利を収める企業は、明確な説明を待つことはありません。シンプルなツールから始め、実践を通して学んだ企業こそが勝利を収めるのです。

・フルクサスというITコンサル会社のCEOが投稿したポスト。昨今は多くのユーザがAIバブル崩壊に関する記事を投稿する中、この記事ではそれらの論点が本質的ではないことを指摘する。

・崩壊するのは「テック企業のAGIに対する幻想」であり、それが崩壊したとしても、LLMという技術スタックは残り続ける。むしろ、多くの技術者はバイブコーディングをはじめとして自分のスキルとして身につけているように、コモディティ化すらしている。

・メッセージとしては、テック企業やベンチャーのお祭り騒ぎには耳を貸さずに、地道に実践に取り組み続けよう、というものであり、共感できる。

AIは天井を上げるものではなく、床を上げるもの/AI is a Floor Raiser, not a Ceiling Raiser(Elroy)

AI is a Floor Raiser, not a Ceiling Raiser - Elroy
An AI memory and reminder assistant
AIを使った学習が画期的なのは、あなたのスキルレベルに合わせて対応できる点です。AIはあなたの理解度に合わせて質問に直接答えてくれるだけでなく、暗記作業までこなしてくれるようになりました。これにより学習曲線は大きく変わります。
AIは私たちのあらゆる行動様式を置き換えるわけではありませんが、非常に有能なテクノロジーです。試してみる価値はありますが、誰であっても、自分に合わないと感じたら、おそらく意味がないはずです。

・AIを使った学習とは、補助輪付きで自転車に乗るのと似ている。一度も自転車に乗ったことの無い人が自転車に乗るように言われても、乗り方は人それぞれ微妙に違う。慣れていないのに、自分にとって乗りやすいフォームを身につけるのは難しい。また、運動神経の問題もある。漕ぎ出すのにどうやって力を入れたら効果的なのか。誰から手解きを受けるか、相手を探すのも難しいだろう。補助輪があれば、それら最初にぶつかる課題を解決し、「まずは乗ってみる」ことが可能になるのだ。

・しかし、補助輪をいつまでもつけっぱなしにすることはできない。例えば自転車で遠くの街に行こうとするときに、補助輪付きでは非効率だ。だから自分で習得し、いつかは補助輪を手放さなければならない。AIもそれと同じで、思いつきのアイデアを具体化するのに、Vibe Codingで馴染みの無い言語でプログラミングをすることは役立つ。でも、大規模で複雑なコードベースを扱うにあたっては、そのコンテキストを自分が深く理解している必要がある。AIに丸投げすることはできないのだ。

認めましょう。あなたは狂った人です/Face it: you're a crazy person(Experimental History)

Face it: you’re a crazy person
OR: why your brain needs a boxcutter
皆さんの中には、朝5時に起きてアーモンドクロワッサンを作る人もいれば、テレビでゴルフを見る人もいれば、ハンドスピナーを満載した8万ポンドの大型トレーラーを運転して国中を走り回る人もいます。発泡スチロールのシートをこすり合わせる音が好きな人もいれば、ビザンチン帝国に関する94話のYouTubeシリーズを見る人もいれば、長距離フライト中ずっと前を見つめている人もいます。私だけでなく、ほとんどの人にとって、皆さんは完全に頭がおかしいことに気づいていないのですか?
いいえ、おそらく気づいていないでしょう。誰も気づいていないからです。私たちは自分の好みの普及度を過大評価する傾向があり、心理学者はこれを「偽りの合意効果」と呼んでいます。おそらく、他人の視点に立つのは本当に難しいからでしょう。そのため、反証となる証拠に直接遭遇しない限り、私たちは自分の心の設定がすべてデフォルトだと思い込んでしまうのです。もしかしたら、自分の特異な性質に気づくことさえないかもしれません。例えば、あなたは一生空に3つの月を見ていても、他の人は1つしか見ていないことに気づかないかもしれません。
これが、人々がキャリアを選ぼうとすると頭が固まってしまい、間違った選択をしてしまう理由です。彼らは、その仕事がもたらすクレイジーさも、自分に求められるクレイジーさも理解しておらず、四角い釘のような自分を丸い穴のある仕事に押し込むような人生を送っています。

・就職先に馴染めない、「なんかイメージと違ったな」という原因は、その職業や仕事の「狂気性」を見極められなかったことに由来する。普段からその仕事の表面的な魅力(イメージ)しか見ていないからだ。ヒカキンは偉いと思う。人気YouTuberとしての多忙さをちゃんと表に出してるからね。でも、普通の企業はそういう狂気性は表に出すことは無い(狂気性を持っていることに気が付いていないだけかもしれない)。